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LとRの発音

•日本人が苦手な発音の第1に、LとRの区別があります。

•厳密にいえばどちらも日本語にはない音なので、ネイティブにははっきり区別できるのに、日本語環境で育った人には聞き分けられません。赤ちゃんは始めは様々な音を聞き分けられるが、生後10ヶ月を過ぎるとこの能力が急速に落ちるという研究結果があります。これは、10ヶ月の間に、赤ちゃんは母国語で聞き分けるべき音と、区別してはいけない音を学習するからだろうと思われます。つまり、LとRjは区別しないことを学習したのですから、当然聞き分けられないわけで、その耳でいくら音を聞いてもLとRを正し書きわけることは不可能です。

•実務的には“L”の発音機構は日本語のラ行に含まれている音に極めて近く、ラリルレロをあえてアルファベット表記すれば“LA”/“LI”/“LU”/“LE”/“LO”となります。ところが、ローマ字表記はRA/RI/RU/RE/ROで、ローマ字の常識がこの混乱に拍車をかけているのです。

•具体的には、”L”は舌の先を上の門歯の歯ぐきにあて、音は舌の両脇から出ていきます。「ル」と言う口の形のまま、舌先を歯ぐきから離さず(つまり“LU"の"U"を発音するときに舌先がひっこむのを止めて)、軽く「ル」といったときに"L"の音が出ます。

•一方、“R”は舌が口の中のどこにも触れていないのが特徴です。「ウ」の形の口をつくると、舌は口中のどこにも触れず浮いた状態になります。この状態で「ラ」と発音すると、舌先が門歯の歯ぐきに触れる暇がないうちに発音がされるので、"R"の音がでます。

•つまり、“L”は日本語と同じにして、“R”を発音するときは、その前に「ウ」の口を意識的に作ってから一気に「ラ」と発音すると”R”の音になります。したがって、左(LEFT)と右(RIGHT)はレフトゥとゥライトゥで十分通じます。これを使って、事前に「ウ」の口を作るか否かを意識することで、実用的に正しい発音ができ、”R”のスペルも音としては無理でも、発音動作として覚えられようになるのです。

Lの発音
日本語のラのように舌先が上歯茎に当たる
Rの発音
舌先はどこにも触れない

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